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忘却について
仁科研では 忘却に関する研究こそが学習にとっての記憶に役立つと考えています。学習視点で短期記憶と長期記憶における忘却のメカニズムを考察しています。
長期記憶の忘却は、減衰消滅・干渉変化・検索(起草)不能(失敗)の3点としてとらえます。
減衰消滅とは、時間の経過とともに記憶が失われていくことです。神経細胞自体が老化消滅 、あるいは電気的刺激を与えないためシナプス間の結合が廃用萎縮し消えてしまうことを意味します。
干渉変化とは、隣接するシナプス結合間で似通った回路を持つことにより新たに別の類似した回路を作ってしまうことです。すなわちある記憶が他の記憶と干渉を起こすことによって記憶が変化し本来としての記憶が失われ変わってしまうことです。思い込み、思い違いがその例で人間間のトラブルの原因にもよくなります。
検索不能とは、 記憶された情報自体が消失しているのではなく想起の段階で、記憶内の情報にアクセスする動機機能をコントロールできないということです。身近な例では昔の知り合いに会っても思い出せない。しかし昔会っていた場所や名前あるいは写真を手掛かりに思い出せることがあります。これは自分の記憶の中にはあるものの自分の力で思い出せない記憶になってしまっているものです。
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