記憶について 短期記憶 長期記憶
生まれてから様々な外因子を受けながら脳は学習し成長していきます。その外因子へ対応するための脳内部のシナプス間の変異、結合を記憶(記銘)と定義します。この記銘された回路により複雑な考察ができるようになります。すなわち学習面においても記憶(知識)なくしては何も始まらないということです。
広く一般に物事を覚えるということは脳に記憶させることと理解されています。しかし仁科研では忘れる作業 も記憶のメカニズムに欠かすことのできない重要な要素と理解します。人間は生活しているだけであらゆる刺激を受け直接、間接的にその刺激は脳に届いています。好むと好まざるにかかわらず短期記憶・一時記憶として海馬に運ばれます。もちろんほとんどの情報が瞬時に消え去ります。それ以外の情報も時間とともに薄れていきます。 同時に入ってくる情報を、単に聴覚野や視覚野から海馬へ入ってくる回路と位置づけるのではなく広く前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉、辺縁系(扁桃体・帯状回・脳梁)、基底核にまで考察を広げ考えています。短期間に覚えるための条件が見えてきます。
また仁科研では視床の選択制に注目しています。この支障の選択制が集中力に大きな役割を果たしていると考えています。
仁科研では記銘を短期記憶(一時記憶)のレベルからいち早く長期記憶に移行させる処置(学習)をしていきます。すると次にくる問題は長期記憶での忘却回避です。仁科研では長期記憶の忘却の原因を三点に絞り込み生徒各自の能力を鑑み克服していきます。詳しくは「忘却の種類」を見てください。
子供たちが記憶するための作業を単純な暗記としてとらえるだけでなく、さらに忘れることへの調整と考察すれば学習方法は根本から変わってきます。記憶力に個人差があるのではなく 覚えるときの環境及び忘れる速度に個人差があるととらえ、 ひとりひとりの能力に合った学習法を提示することが子供たちの力を短期間に伸ばすこととなります。